岡本 明才
カメラの技術革新によって、写真はあまりにも
現実をリアルに描写してしまう。
人は写真を真実だと思い込んでしまう。
その真実とは何かと突き詰めていくなかで、
私はある答えを見つけ出した。
最も古いカメラである、カメラ・オブスクラは、
風景が、不鮮明に映し出される。
直径数ミリ(0.15−0.2ミリ)の穴から光が暗い箱の中に
差し込むことで生み出されるイメージ。
光の重なりが像と変化し、光景が浮かび上がる。
この光景とは、何かと考えたとき、
私たちは光しか見ていないという事になる。
人は光を感知し物体を認識する手段を獲得したが、
物体本来の姿は見た事は無く、
反射した光しか見る事ができない。
しかし私たちは、
物体そのものを見たと思い込んでいる。
真実とは、思い込みが作りだした幻である。